ピロリ菌について

ピロリ菌について

ピロリ菌について

ピロリ菌に感染した慢性胃炎の除菌治療が保険適用になりました!

(ただし胃内視鏡検査を受けて頂く必要があります)  
胃の粘膜に住みつく「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」は、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの原因と言われ、除菌をしなくてはいけない悪い細菌です。
このピロリ菌の感染は、50歳以上の方に多く見られ、放っておくと胃がんになる確率が高くなりますので、まずはピロリ菌の検査をおすすめします。

ピロリ菌の検査方法には、血中抗体を測定する「血液検査」、尿中抗体を測定する「尿検査」、便中抗原を測定する「便中検査」がありますが、当院では尿素の錠剤を飲んで、吐く息でピロリ菌の有無を調べる「尿素呼気法」をおこなっております。

■尿素呼気試験法の原理
ピロリ菌が持っているウレアーゼと呼ばれる酵素により、胃の中にある尿素を分解して、二酸化炭素とアンモニアを作りだします。尿素の分解により、アンモニアと一緒に作り出された二酸化炭素は良好な吸収が行われ、血液から肺に移されて、炭酸ガスとしてはき出されます。この原理を使うことで、患者さんは検査薬(13C-尿素)を服用します。ピロリ菌に感染してしまっている時は、尿素が分解されるため呼気の中に13CO2が多数見つかることになります。なお、ピロリ菌に感染していないケースでは、尿素が分解されることはないため13CO2の呼気排泄が起こることはほぼありません。

当院では、この尿素呼気法によるピロリ菌抗体検査と胃の内視鏡検査をあわせて、おすすめしています。
ピロリ菌の検査結果が陽性反応(ピロリ菌がいる)の場合は、できるだけ早く除菌治療をしましょう。
ピロリ菌検査の陽性反応と内視鏡検査によってピロリに感染した慢性胃炎が認められた場合の除菌には保険が適用されます。

■ABC法:新しい胃癌検診を目指して
市区町村や会社で行う胃癌検診を、定期的に受診している方は多いと思います。
今、この胃癌検診のあり方について、ひとつの議論が沸きあがっています。

胃癌検診の方法としては、バリウムを使った検診が一般的に受け入れられているのではないでしょうか?バリウムを用いた検査の有用性は、疑いようのない事実 ですが、検査自体が煩雑で、また検査後に下剤を服用する必要もあり、受診率が低いのが現状です。また被爆の問題もあります。特に、未婚の女性が卵巣への被 爆を防御しないで検査を受けるのは大変心配な事です。

今、バリウム検診に変わる新しい検診が模索されています。新しい検診は、胃癌の発生メカニズムに準拠しています。すなわち、胃に中にピロリ菌という細菌が長期にわたり生息することで、慢性的な胃炎をおこし、それに伴い胃の粘膜に萎縮性変化が起こることを利用する方法です。

この概念、事実に基づけば、胃の萎縮性変化の程度とピロリ菌感染の有無の2点を把握すれば、胃癌になりやすい方を拾い上げることが出来るわ けです。胃の萎縮性変化を捉える方法がペプシノーゲン法で、萎縮性変化のある方が陽性になります。胃のピロリ菌感染の有無はピロリ菌抗体検査で測定しま す。ピロリ菌がいれば、抗体陽性になります。いずれも、血液検査です。採血するだけなので、一般検診に併せて施行すれば極めて効率的に、受診率をあげるこ とが出来ます。

受診率が上がるだけでなく、将来、胃癌を発症するリスクの高い方を拾い上げることも可能になり、ピロリ菌を退治する除菌治療につなげることで、胃癌の発生を未然に防ごうという訳です。

ペプシノーゲン法とピロリ菌抗体検査の結果の組み合せは4通りに分類されます。

A群:ピロリ菌抗体陰性、ペプシノーゲン陰性

B群:ピロリ菌抗体陽性、ペプシノーゲン陰性

C群:ピロリ菌抗体陽性、ペプシノーゲン陽性

D群:ピロリ菌抗体陰性、ペプシノーゲン陽性

A群からは、胃癌の発生はほとんどみられません。B群<C群<D群の順に胃癌発生が多くなります。D群に関しては、ピロリ菌抗体が陰性なのになぜ?と思わ れるかもしれませんが、あまりに胃粘膜の障害がすすみ、見かけ上、抗体が陰性となった、と考えられています。B群、C群、D群に入った方には、ピロリ菌を 退治する除菌治療を施行し、胃癌発生を大幅に少なくする事が出来ると推察されているのです。

もちろん、胃のバリウム検診の有用性は立証済みですし、バリウム検査が無くなることもありません。しかし、長きにわたり、胃のバリウム検診を続けているのもかかわらず、依然として、胃癌で亡くなる方が極めて多いのが現状です。胃癌を発見する、という発想から、防ぐという概念に変えていくことは、一考に値します。

新しい検診体制を確立するには費用もかかります。財政破綻に近いわが国では、現状ではなかなか、実現しにくい事かも知れません。初期投資はかかっても、胃 癌で亡くなる方を撲滅できれば、医療費軽減効果のみならず、存亡の急に瀕したこの日本が大きく成長する原動力になるはずです。
保険診療にするのか?自費診療で行うのか?個々にも問題点は山積しています。胃癌検診のあり方といった狭い内容に限らず、あらゆる分野で試行錯誤を積み重ね、一歩一歩改善していく努力を積み重ねていくことが、今の日本には、必要なのかもしれません。

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