院長のブログ

2014年7月 2日 水曜日

便潜血反応で問題が無くても・・

目で見た限りでは、便に血が付いていなくても、顕微鏡レベルで出血している場合があります。この状態を捉えるのが便潜血反応と呼ばれる検査です。
別名、大腸がん検診とも言われています。



2日法と言って、2日間連続して採便し、検査するのが一般的です。
この便潜血反応が陽性に出たとき、すなわち便に顕微鏡レベルの僅かな出血が明らかになったときは、大腸内視鏡検査を行うことが不可欠です。

では便潜血反応が陰性、すなわち出血が認められない場合は・・

写真は、毎年、便潜血反応を行って、いつも陰性の方の盲腸の写真です。
全周に及ぶ進行がんを認めます。
この方は、下痢が続くので、念のため調べて欲しい、と来院されました。

大腸内視鏡検査の結果、診断が確定したのです。

この大腸がんと下痢の因果関係は無いと考えるべきです。

癌特有の症状はありません。
癌で命を落とさないためには、定期的にチェックする以外に手はないのです。

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2014年6月30日 月曜日

咽喉頭異常感症

耳慣れない病名かもしれませんが、咽喉頭異常感症という病態があります。
わかりやすく言うと、いつもノドの奥に、嫌な感じや詰まった感じがある状態のことです。
原因としては、精神的なことや舌の付け根にあるリンパ球が集まってデコボコになった部分が大きめだったり・・・多岐に渡ります。

原因がわからない事の方が多く、漢方薬を処方して様子を見るのが一般的です。

このような症状の患者さんの内視鏡検査をすると、全例ではありませんが、ある特徴があることが分かりました。

食道の入口付近に、本来、食道には無いはずの胃粘膜が迷い込んでいる(迷入と言います)症例を散見するようになりました。

        通常観測                                 NBI観測


実際の写真を添付していますが、通常観察ではわかりにくいですが
NBIという特殊光を使うと、写真の下側に茶色に抜けた部分が明らかになります。
茶色の部分が胃粘膜の迷入した部分です。
バレット食道と言います。

まだ確定的な事は言えませんが、
咽喉頭異常感症の原因の一つとして、食道入口部のバレット食道が挙げられるかも知れません。

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2013年8月31日 土曜日

内視鏡的にポリープを切除した後・・・

大腸内視鏡検査をしていると、ポリープが見つかることはよくある。

癌になりやすいポリープは当然、ポリープを摘出することになる。
これを内視鏡的ポリープ切除という。

ポリープの直下に生理食塩水を注入し、ポリープを浮かせ
ワイアーをかけ、通電して切り取る。
切り取った断面には、止血クリップをかけ、終了。
簡単に書くとこうなる。

当院では、摘出後の管理を厳しくしている。

なぜなら、ポリープ摘出後の出血を防止するためだ。

どんなに完璧に、処置したつもりでも
確率論的に必ず、処置後出血は発生する。
クリニックであれ、病院であれ・・

出血しても経過観察で済む場合もあるが、
病院へ搬送、緊急内視鏡で止血が必要な場合もある。

当院で処置をした患者さんに関しては
絶対に出血させたくない!!
という強い思いがある。
だから、術後の決め事は、多少厳しくなる。

10日から2週間は禁酒、運動制限。
1週間は食事の管理。

簡単なようで難しい。

急に遠方に出張になった・・・
1杯くらいなら良いだろうと、ビールをのむ・・・
痛みがないので、八面六臂で仕事をする・・
運動は制限したが、ゴルフのコンペにはでた・・
などなど
これをしたからと言って、必ず出血するわけではないが、
出血のリスクは高まる。

自宅にいて、突然、下血、出血した時の不安。
わたしは、これを絶対に味わってほしくない。

だから、やや厳しく日常生活の制限をしている。



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2013年7月28日 日曜日

大腸内視鏡で重要な事

大腸内視鏡と言うと、"検査自体が大変・・・"と言う事ばかりが注目されます。

 

 

 
具体的には、内視鏡を挿入するときに痛みを伴うとか、お腹が張って苦しいとか・・

 

でも、実際に検査を行う私の立場から言わせて貰えれば、今は内視鏡自体が進化して、内視鏡挿入に関する困難性は過去の話になりつつあります。

 

大腸内視鏡で重要な事

すなわち

未来永劫、完結する事の無いであろうテーマは"病変を発見すること"です。

 

ここでいう病変とは明らかに出っ張ったり、潰瘍を形成した一目瞭然の病変ではありません。

 

観察する光の波長を変えたり、拡大観察したり、色素を撒いてようやく把握できる病変の事です。

私を含め、内視鏡を行う人間は、この一転に集中して、自らにストレスを与え、日々、検査をしています。

診断能力向上のため、日々、深酒を慎み、研鑽に多くの時間を割きます。

 

逆の言い方をすると、このくらいしないと病気を見逃す恐れがあると言うことです。

 

まちがっても便潜血反応が陰性だからと言って安心してはいけないのです。

 

反省

忙しさにかまけて、ブログ更新が遠のいてしまった。

嫌々、この業界では、私の忙しさは普通だ。

精神が弛んだのか・・

53歳、もうおじさんですが、心持をあらたにして・・・

 

 

 

 

 

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2013年5月25日 土曜日

女性の検査に適した(?)受動湾曲内視鏡

すでにブログでも紹介したが
受動湾曲という新しい機能の付いた大腸内視鏡(以下、受動湾曲)を
使うようになって半年以上がたった。

私が、もっとも頻回に用いるのは
PCF-P240AIという機種で
細径ではあるが、受動湾曲機能はない。

この受動湾曲は
手術後の癒着や憩室炎による癒着で
挿入が困難なケースに対応するように
作られたものだ。

当院でも、受動湾曲をこのような症例には是非
使うようにしている。

しかし、当院では
この受動湾曲は、女性の検査に適しているのではないか?
と最近考えて、女性の場合は大方この内視鏡を用いるようになった。

すでに
ブログにも書いたが
女性と男性、どちらが挿入困難か?
と問われれば、私は女性だと思う。
手術の経験や憩室がなくても
子宮筋腫、内膜症、排卵期出血などで
潜在的癒着が多いのではないか?
と考えている。

また、男女とも大腸内視鏡検査を受けたがらないことには変わりないが、
女性の拒否感はすごい。
”絶対嫌だ!”
”考えられない”
説得の仕様がない場合も多い。

このように激しく拒否する理由に
先に述べた潜在的癒着による挿入困難感も含まれているのでは?
と考えるようになった。

受動湾曲を用いれば
潜在的癒着による挿入困難感の克服は容易だ

受動湾曲が
女性の大腸検診受診率向上に役立ってくれるといいが。

女性が亡くなる癌で一番多いのが
大腸癌である事実を忘れてはならない。



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