院長のブログ

2012年6月11日 月曜日

医療はサイエンスか?その2

医療行為は、大規模な臨床試験で実証された理論に基づいてなされる。
この意味でサイエンスとしての面が大きい。

でも、これがすべてではないんです。

経験を積み、意識をとぎすませることで
患者さんの表情、声色だけで
尋常でないことが、患者さんの身に起こっている可能性を察知できます。

いわゆる嘔吐下痢症が大流行している時、同じ症状で来院しても
イレウス前段階で緊急入院が必要であったりします。
典型的な腸閉塞の症状はなく、嘔吐下痢症の症状だけです。
でも、腹部を触診した所見がどことなく、いつもと違います。
通常、嘔吐下痢症にレントゲン検査はしませんが
この方には行い、イレウス前段階と判明し、緊急入院で事なきを得ました。

別の例ですが
先日、高カロリーの点滴が可能な中心静脈カテーテルを皮下に埋め込む
手術をしていました。
必要な物品はすべて用意しました。
しかし、なぜかカテーテルが進みません。
しばし、迷いましたが、どこの医療機関でもあるであろう単純な機器を
使い、首尾よく終了しました。

私は、このような事は、医療のサイエンスではない部分と思っています。
ではアートか?
否、職人気質です。

医療には、サイエンス的な考え方と職人気質のバランスが
重要と考えています。

鶴町哲也



投稿者 鶴町クリニック

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